契約書を作るときの注意点⑦ ー誰が何をするかを定めるー
弁護士堀内のブログ2022.0202
これまで、契約書を作るときの注意点について書いてきましたが、今回が多分最後になると思います。「誰が何をするか」を定める、ということについて書きたいと思います。
まずは「何をするか」を決めて、その後に、「それをするのは誰か」を決めます。
「何をするか」について、法律上は、「〇〇を売る」「〇〇を貸す」「〇〇と△△を交換する」「〇〇を雇う」「〇〇という業務を委託する」「〇〇することを請け負う」の6つのうちのどれかにあてはまるのが通常です。もちろんそれ以外もありますが、いずれにせよ、できる限り具体的に定めるほうがいい、というのはこれまで書いてきたとおりです。
特に業務委託の場合は、具体的に定めるだけでなく、それを誰がするかまで、きちんと定める必要があります。
例えば、A社とB社との間で、「A社が所有している駐車場に、週3回、B社が所有しているキッチンカーが来て営業をする」という契約をしたとします。この場合、A社は何をしますか?
考えられるのは
①A社は、B社が所有しているキッチンカーを週3回、自社の駐車場に置くことを許可する。
②A社は、B社が週3回、自社の駐車場でキッチンカーを使って営業することを許可する。
です。
でも、②の際に発生するゴミの処理は誰がします? A社の水道や電気を使ってもいいですか?
そうすると例えば
③B社は、②によって発生したゴミを持ち帰ることとする。
④A社は、②に際して自社の水道・電気を使用することを許可するが、その費用としてB社はA社に月額1万円を支払う。
といった定めをすることが必要になってきたりします。
このように、誰が何をするのかを事前に決めておかないと、後で押し付け合いになって、結局うまくいかなくなります。
何事も最初が肝心。もめてから取り決めをすることは現実的に難しいですので、もめる前に決めておきましょう。