弁護士を顧問にしてみませんか? ー顧問弁護士をつけたほうがいい会社とはー
お知らせ弁護士堀内のブログ2024.0303
顧問弁護士なんて不要だ、ということをよく聞きます。
確かに、不要な会社もあります。私の経験でいえば、例えば、ルーティンの業務だけを行っており、取引先が1つか2つぐらいという会社などです。そういう会社だと、トラブルが起きにくいし契約書を新しく作ることもほとんどありません。顧問弁護士は不要だ、とは言い切れませんが、ニーズは低くて、経費の使い道としてはそこそこ低い順位になると思います。
では、どういう会社は顧問弁護士をつけたほうがいいでしょうか。
1つは、これから新しい事業に着手しようとしている会社です。新しく自社で事業を興す場合もあれば、M&Aで事業を引き継ぐ場合もあるでしょう。そういう会社は方法の如何にかかわらず、新しい業界に参入することを意味しますので、取引先とどんな契約をしたらいいのかとか、どんなリスクがあるのかなど、法的に気を付けた方がいい点についてあまり社内に知識や経験が集積されていないことがあります。そういったときに顧問弁護士がいれば、いろいろ調べてもらったりアドバイスをもらったりして、新規事業を円滑に進めることができます。私もさまざまな会社の顧問弁護士をさせていただいていますが、新規の事業をすることをきっかけに私を顧問弁護士にしたという会社がすごく多いです。
もう1つは、今まで法律を気にしたことがない会社です。コンプライアンスといって法律を守ることを求められるようになっている現在において、「なんとなく今まで取引先と契約して、なんとなく納品していた」ということが通用しなくなってきています。そこで、継続的に、顧問弁護士に契約書のチェックをしてもらったり、顧問弁護士に契約書を作ってもらったりすることが必要になってきます。
そこで、「それならAIで十分だ」という意見もあろうかと思います。でも私は、その意見には懐疑的です。確かにAIで契約書のチェックをすることは可能です。私も交渉相手の会社がどうもAIを使って契約書のチェックをしているような形跡が見られたことがあり、結構しっかりしたチェックをしているな、という印象を受けました。
しかし、顧問弁護士は、AIにはできないアドバイスすることができるケースがあります。例えば、会社Aが会社Bに機械を制作する業務を委託したとしましょう。Aが提案した契約書に、「Bが本契約に定められた義務に反したときには、AはBに対して、Aに発生した損害の賠償を請求することができる」という定めあったとします。BがAIによるチェックをしていたとしたら、おそらくAIは上記の定めに対して「問題なし」の反応を示すと思います。なぜなら、法的に何ら間違いがないからです。でも、Aに発生する損害の種類には無限のものがあります。例えば、Aがこの機械を使って販売網を拡大しようとしていた場合に、せっかくの取引先を逃がしてしまうかもしれない。その逃がした取引による利益も損害だといって請求されたらどうなるか。実はBはキャッシュフローがあまりない会社だという場合も考えられ、多額の損害賠償請求に耐えられないかもしれない。Bに顧問弁護士がいたなら、Bにキャッシュフローが少ないことや、BにとってのAの重要性などを考慮して、Aが提案した契約書に対してどう対応したらいいのか、具体的にアドバイスすることができます。
私は、顧問弁護士の仕事は、それぞれの顧問先会社にカスタマイズしたアドバイスをすることだと思っています。なので、契約書チェックなどのレスポンスはできる限り3日以内にするようにしていますし、できる限り具体的なアドバイスをするようにしています。
いかがでしょうか。少しは顧問弁護士を付けようかなと思われたでしょうか。
少しでも顧問弁護士に興味があると考えられた会社様があれば、ホームページからお問い合わせを頂ければ、できる限りのことをお答えします。
顧問料についても、顧問弁護士を付けようと思った理由や会社の業績など、いろいろな事情がおありでしょうから、それらをお聞きしたうえで決めるようにしています。とりあえず半年だけお試しで付けてみる、というのもありますし。
緊張しないで、何でも聞いてみて下さい。真剣に考えてお答えします。